平成二十年は、当山開創千三百年に相当し、昨年十月一日、 記念法要が厳修されました。
当日、九時三〇分に客殿より進列、修験二人の法螺貝を立てての先導につづいて、二十人の楽人が高らかに雅楽を奏で、そのあとには僧侶三十口が厳かに列をなして本堂に入堂、開帳された秘仏、馬頭観世音菩薩に祈念の法要が営まれました。
中でも、前回七十七年前の開 帳法要に稚児として参加された林幸子(84)さんは、なおかくしゃくとして参拝者を代表して焼香されて、並みいる参拝者に深い感動を与えました。
また、御本尊馬頭観音は、三 十三所札所の中で唯一の観音さまで、山主、奉讃会長、檀家総代三人の手によって開帳された時は、参列者から静かなどよめきが起こりました。これから九月三十日まで開帳されておりま
すが、次回のお目見えは当分期 し難く思われますので、ぜひ御参詣の程、お待ち申し上げます。
また、新築の宝物殿も開かれ、京都国立博物館より返還され た、国宝の仏画「普賢延命像」を始めとして、東京、奈良両国立博物館から返還の重文仏画
と共に、一昨 年秋から解体修理をすすめて完成した、鎌倉時代の仁王像(阿形像)や、昨春、本堂須弥壇下
より発見された平安時代の天部 (毘沙門天か)のトルソー等が開陳されました。なお、仏画につきましては、年間六十日
間より吊懸開陳が許されていませんので、各画幅とも春秋一ヶ月回づつのお目見えとなります。
また、吽形仁王像の修理完成 は、今年末になる予定でありま すが、この方も阿形像同様、開山千三百年記念法要・開帳に因む御寄進の方々の御芳名を胎内に封入させていただくことになっておりますので、今後とも何卒御支援御協賛の程、宜しくお願
い申し上げます。
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