記念講演会

 開山記念法要に因む二つの記念講演会が催されました。十月 二十日には、村田良平氏(元外務次官、駐米、駐独大使)が旧制三高の昭和二十四年度卒業生の同窓会を当寺で催すため来鶴されるのに臨んで、海上自衛隊舞鶴地方総監部大講堂で、「戦後日本の外交の来し方と将来への提言」と題して講演していただきました。
 我が国外交の枢要の地位に あった経験に基づく明快なお話 は、聴取者に深い感銘を与えま した。
 また同氏が今回発刊した「村 田良平回顧録」上下二巻(ミネルヴァ書房)は、マスコミ各紙から高い評価をうけると共に、中曽根元首相、塩川元財務相などが発起人となって、出版祝賀会が開かれております。同じ学舎に学んだ者として同慶の念にたえません。
 なお又同氏 は、オバマ次期米大統領に対して、当選の祝意を表すると共に、米国の今後の動向についての卒直な要望と提言のメッ セージを昨年十一月十二日に発信されまし た。

 次いで十月二 十九日には、舞鶴商工観光センターで、京都・清水寺、森清範貫主に「観音の心、人のこころ」と題して講演をお願いしました。
 話の中で、「時計の針は、前 から見ると右回りだが、時計自身は針を左回りさせていると考 えている。我々は自分の経験や知識から生まれたT蔵識Uで判断するものだ」といわれました。個々の蔵識を通 じての認識は、ともすれば「常識」から外れ勝 ちになる場合があるのかもしれません。ユーモアを混えて、仏教の唯識論の一端を解り易く話 されました。



村田氏を囲んで( 舞鶴海上自衛隊総監部にて)
 

揮毫中の森貫主猊下



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