人の世を「娑婆(しゃば)」という云い慣わしがありますが、この梵語は、「忍土」と訳されております。 とかく、この世は、四苦八苦に悩まされて、忍耐を強いられるが故でありましょう。そうした苦難の坩鍋(るつぼ)の中で、なおかつ平穏無事な心根を保つことは至難の業であります。 そのためには、当文でも触れておりますような「靜坐」の行や、念仏行が少しでも心の支えとなってくれるように願います。 世の波風に処して 「気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」 と仙崖和尚は、柳の心を教えています。